学術変革領域研究(B)「折紙がつなぐ」

わたしたちは、その時々の必要に合わせて形や働きを柔らかく変える新しい人工物を実現することで、大量消費モデルからのパラダイムシフトをなせないかと考えています。この新しい人工物を実現する鍵として、DNAやタンパク質の折り畳み、昆虫の翅、脳の皴、植物の葉や花など、自然界に遍在し複合的な機能を生み出す「折り」の原理に着目しました。折りによって、1次元(線)から2次元(面)、2次元から3次元(立体)、3次元から4次元(動き)が作り出され、さまざまな機能が生まれています。

この「折り」の原理の中核をなすのが、日本伝統の芸術の「折紙」です。本領域「折紙がつなぐ」では、折紙を媒介として、自然に遍在する折りの科学(Science)、数理による原理の記述(Math)、芸術家の発想(Art)、製造と多機能性を担保する工学(Engineering)、情報と物質の統合(Technology)といったSTEAM領域を融合し人工物設計の学術体系を変革します。